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内容紹介手形詐欺の驚くべき手口、調査を始めた部下を襲った、不可解な事件。昭和32年、『点と線』と並行して連載された、清張初期の秀作。白昼の銀行を舞台に、巧妙に仕組まれた三千万円の手形詐欺。責任を一身に負って自殺した会計課長の厚い信任を得ていた萩崎は、学生時代の友人である新聞記者の応援を得て必死に手がかりを探る。二人は事件の背後にうごめく巨大な組織悪に徒手空拳で立ち向うが、せっかくの手がかりは次々に消え去ってしまう……。複雑怪奇な現代社会の悪の実体をあばき、鬼気迫る追及が展開する。著者の言葉ここに書いた手形のパクリ詐欺は単純な型で、じっさいはもっと巧妙で複雑だが、考えがあって今度ははぶいた。とにかく、これを誘因にして殺人事件に持ちこもうと腹案では企んだ。この殺人事件も簡単なものにしておわろうとしたが、なかなか締めくくりができない。それは今の推理小説をよむ読者の眼が肥えていて、ありきたりのことでは不満を買いそうだからである。そこで、書きこんでいるうちに、蜒々(えんえん)六百枚となったしだいである。(『壁の眼』初版あとがき、本書「解説」より)本文より警察からの連絡は、
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